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水の国ルート 


 とある日の会合の後、ホヅミがルビカに話し掛けます。 
「こうやって話すの久しぶりだな。元気してんの?お前はすぐ無茶するから心配だよ。」 
「最近アタシ、昔の夢をよく見るんだ。みんなで四つ葉のクローバー探してさ…楽しかったよな。やっぱダメだよ。一緒にいられ
ないなんて。だから、変えようと思って。」 
「え?」 
「アタシがこの国を変える!」 
そう言ってルビカは走り去っていきます。 
ホヅミはルビカの行動が気になりますが何も出来ず、城で悶々とする日々を過ごしました。  


 ある日、ホヅミは「炎の国民が水の国に侵入した」という噂を耳にします。 
ホヅミだけでなく、ユリーナもそれが誰なのかをすぐに勘付くことがました。怒りを震わせるのは、ユリーナ。 
「ルビカですって…?不法侵入だわ。あんな下品な王女が水の国に…汚らわしい。今に見てなさい。水の王女の恐ろしさを思
い知らせてあげるわ」  
その後、ユリーナはスパイ(殺し屋)を送り込み、ルビカを排除する作戦を企てることになります。 


 その間、ルビカは水の国の街を渡り歩き、国民に接触していきます。 
「炎の国の……なぜここに?!ここへは入ってはいけない決まりのはず……ただちに国へ帰れ!さもなければ……」 
「聞いて。アタシがここに来た理由を、ちゃんと聞いてほしい。」 
しかし、ルビカがいくら話しても水の国民たちは納得がいかず、捕らえようとするばかり。ルビカはめげずに話をしようと、
寝ないで国中を渡り歩きます。 

 そんな中一件だけ、受け入れてくれる家が。その家には夫婦と幼い子どもが住んでおり、父が水の国、母が炎の国という複雑
な家庭でした。子どもは当然、イジメられていました。 
 ルビカはそこで、鎖国による苦しい生活のこと、イジメのこと、みんな国の統一を願っていること…様々な話を耳にするのでした。  

 


 数日後、ルビカを追って、スパイが家に辿りつきます。 
ルビカをかくまっていることを察したスパイは、家族にルビカを出せと命令をします。 
「ここには炎の王女はいません!」 
「嘘をつけ。早く出せ。こいつがどうなってもいいんだな…」 
子どもを抱え、切りつけようとするスパイ。夫婦は衝撃で声をあげることもできませんでした。隠れていたルビカは、 
「危ない!!!」 
と、見るに堪えず、咄嗟に子どもを庇います。出血し、その場で倒れこむルビカ。 
「やった♪」 
仕留めたと勘違いしたスパイは、そのままその家を去っていきました。


 刺された傷は深く、ルビカは瀕死の状態となります。 
「ルビカさん!!」「ルビカさん目を開けて!!」 
 家族は数日間、必死に看病を続け……ルビカはなんとか一命を取り留めます。ゆっくり口を開けるルビカ。 
「大変なことに巻き込んで、本当にごめんな。アタシのせいだ。ごめん……。でもアタシは……このままじゃ嫌なんだ…子ども
たちの涙や、嘆き。アタシも…わかるから。だから諦めたくない。負けたくないんだよ。」  

 

 介抱してもらったおかげで、ルビカの傷は日を追うごとにどんどん癒え、その家を去ることに…。道中、ルビカは、ユリーナと接触することになります。 
「?!?!もう闇に葬られていたものかと……どういうつもりかおわかりで?こんなところまで来るなんて、どんな罪を犯したかわ
かっているの?」 
「何を言われたって怖くない。殺し屋が平気で罪のない人を傷つけようとする…今のこの国が罪の塊だ!!!お前は水の国に
相応しくない。それ以上、国民やホヅミを傷つけるのはやめろ。」 
ユリーナは鼻を鳴らします。 
「意味がわからないわ。まるで私が仕組んだような言い方じゃない。ホヅミ様を傷つけているのはあなたの方よ。目障りなの。消えてくれる?」 
「葬られてなくて悪かったな。アタシ、不死身だからさ♪」 
「…………」 
「アタシは国民に寄り添いたい。それが自国じゃなくても関係ない。だから、国民を傷つける奴は許さねーって言ってんだよ。」 
「そうやって大口を叩けるのも今の内だわ。精々残りの人生、楽しむことね」  

 

 その後、ユリーナはルビカを消そうといろいろな手を使いますが、子どもを庇った一件で国民皆、ルビカがここに来た理由に
気づき、心動かされ、ユリーナの作戦はどれも泡に終わります。 
それに気づいたホヅミは、ユリーナと城の中で話をします。 
「ユリーナさん…いろいろと噂が立っていますが…あれは真実なのですか?」 
「ハッ。真実なわけないでしょう?バカにしないでちょうだい!!」 
声を荒げるユリーナを、無表情で見つめるホヅミ。 
「私は!!私は・・・・・・・こんなにホヅミ様が好きなのに…愛して…いるのに………ウッウッ……どうして上手くいかないの?!全部アイツのせいよ!!あの女の・・・許せない!!許さない…!!!」 
本音を吐き出しながら泣きじゃくるユリーナに、ホヅミは優しく接します。 
「アイツ、無茶苦茶ですよね。でも、それがアイツなんです。逞しくて、前向きで。……ユリーナさんといて楽しかったです…でも、やっぱり俺、自分の気持ちに嘘はつけません。」

ゆっくりと表情を変えていくホヅミ。

「そして次、アイツに手を出したら、後はないと思ってください。」 
ユリーナはその言葉に多大なショックを受け、泣きながら部屋を出ていきます。その後ユリーナの姿を見ることはありませんで
した。  


 一週間の間で、ルビカは街の人たちの話を聞きに回り、だんだん仲良くなり、水の城の元へ辿り着きます。そうして、ホヅミと接
触。 
「正々堂々と、水の国の土地からこの城の門をくぐった。ホヅミ、アタシここまで来たよ。」 
「その怪我……どうしたんだ……。」 
「あ、これ?大したことないよ。街の奴らのおかげですっかり元気になったし!こうやって水の国で正面からお前に…」 
「ふざけるな!!!こんな危ない目に合って……お前……何やってんだ………。」 
「ホヅ…」 
「いい加減気付けよ!!!!」 
ここでホヅミはルビカに想いを打ち明けることとなります。 
あまりにも強い抱擁と、視線に、ルビカは戸惑うばかりでした…。 

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